完済までの流れを知ろう!債務整理にかかる期間と手続きの流れを徹底解説
2018/10/09
債務整理で1日でも早く借金生活から抜け出したいと思う方は多いと思いますが、完了までにどのくらいかかるのでしょうか。
借金地獄から抜け出せる!債務整理4種類の解決方法とメリット・デメリットまとめでお伝えしたとおり、債務整理には4種類の方法があり、それぞれの方法によって手続きの流れや期間が異なります。
今回は、債務整理の方法ごとに必要な手続きやかかる期間についてご紹介します。
こんな悩みを抱えていませんか?
- 毎月返済してもなかなか借金が減らない
- 借金を滞納してしまう
- 借金を返すために他の会社から借金してしまう
もし上記にあてはまる場合は、今すぐに債務整理を検討すべきです。
任意整理の手続き期間と流れ
手続き期間
任意整理は、裁判所を介さずに借金を減額できる債務整理になり、弁護士が直接債権者と交渉し、過払い金発生による借金の減額、利息の免除などの手続きを行います。
任意整理を弁護士に依頼する場合、要する期間は平均3ヶ月~6ヶ月ほどになります。
手続きの流れ
任意整理を弁護士に依頼すると、まず弁護士が債権者に対して「受任通知」を送ります。これは、弁護士が債務者の代理人を引き受けたことを示す通知で、これが届くと、債権者からの督促連絡はストップします。
次に弁護士は、債権者から債務者の「取引履歴」を取り寄せて、借金に含まれている過払い金の計算(引き直し計算)を行います。
借金額が確定したら、債権者と交渉し、合意があれば手続きは完了となります。
- 弁護士・司法書士に依頼
- 債権者へ受任通知を送る
- 過払い金計算
- 債権者と交渉
- 手続き完了
任意整理に必要な書類
・印鑑
・借入先のクレジットカード、キャッシュカード
・債権者一覧表(どの会社からどのくらい借りていたか分かるもの)
特定調停の手続き期間と流れ
手続き期間
特定調停は、任意整理をしたいけど弁護士費用が払えない人におすすめの債務整理方法です。内容は任意整理と同様になりますが、交渉する人が弁護士ではなく、裁判所の調停委員となります。
裁判所に2回出向く必要があり、およそ3ヶ月~5ヶ月ほどかかります。
手続きの流れ
特定調停の流れとして、まず裁判所へ申立てを行います。この際、申立書や債権者の一覧表、財産の状況が分かるものを提出します。
申立て後、調停期日が決まり、裁判所への呼び出し状が届きます。指定日に裁判所に出向き、調停委員との話し合いを行います。
2回目の特定調停では、債権者も裁判所に出向きますが、それぞれ別室で調停が行われるため、直接顔合わせすることはありません。
調停委員が互いの意見を聴取した上で、債権者と交渉を行い、合意が認められた段階で手続きは完了となります。債権者からの合意が得られない場合は、交渉不成立となり、3回目の調停に持ち越すか、別の債務整理方法を選択することになります。
- 調停の申立
- 担当調停委員と調停期日の決定
- 第一回特定調停
- 第二回特定調停
- 手続き完了
特定調停に必要な書類
・特定調停申立書
・債権者一覧表(どの会社からどのくらい借りていたか分かるもの)
・財産状況等明細書
・住民票
・所得が確認できる資料
個人再生の手続き期間と流れ
任意整理では元金は返済しなくてはいけないため、借金総額が大きい人にとっては返済が厳しい場合があります。
そんな時は、個人再生を行い借金額そのものを減額してもらうことができます。
借金額によって減額できる割合が異なりますが、100万円以上500万円以下の場合は、100万円まで減額され、この金額を3年かけて返済できれば残りの借金は帳消しになります。
自己破産と違い、住宅や車などの財産を失うことはありません。
裁判所を介して行う債務整理になるため、手続き完了までにかかる期間はおよそ4ヶ月~6ヶ月ほどになります。
手続きの流れ
個人再生は個人で行うには非常に難しい手続きのため、弁護士に依頼するのが一般的です。
任意整理同様に、依頼を受けた弁護士は、まず債権者宛に受任通知を送ります。これで、債権者からの督促連絡はストップします。
次に、債務者は、住民票、収入証明書、借り入れ状況、財産状況などの書類を一式揃えておきます。書類が揃ってから、弁護士が裁判所へ個人再生申立ての手続きを行います。
この際、個人再生後に予定している返済額を裁判所へ申告します。この後、債権者と交渉の元、個人再生額を決定します。
返済額が確定したら、個人再生後、残った借金をどう返済するかを明記した再生計画案を裁判所へ提出し、裁判所がそれを認めた段階で、手続き完了となります。
- 弁護士に依頼
- 債権者へ受任通知を送る
- 必要書類の準備
- 裁判所へ申立て
- 債権者と返済金額の協議
- 個人再生計画案の提出
- 個人再生計画案の認可
- 手続き完了
個人再生に必要な書類
・陳述書
・債権者一覧表(どの会社からどのくらい借りていたか分かるもの)
・家計収支表
・住民票
・賃貸借契約書
・源泉徴収票or確定申告書
・課税証明書
・預貯金通帳
・生命保険の証書
・固定資産評価証明書
自己破産の手続き期間と流れ
自己破産は、債務者の収入や借金額を考慮した上で、返済不能と判断した場合に返済が免除される手続きになります。
借金はゼロになりますが、代わりに住宅や車などの財産を失うことになります。
財産の有無でかかる期間も変わってきます。財産がほとんどない人は同時廃止になり、かかる期間は3~6か月程度ですが、財産がある場合は管財事件となり、半年~1年程度かかることがあります。
手続きの流れ
弁護士に依頼する場合、任意整理、個人再生同様に債権者へ受任通知を送ります。
次に、破産手続き申立てに必要な書類の準備を行います。
書類が揃ったら弁護士が、裁判所へ破産手続きの申し立てを行います。
裁判所からの許可が下り次第、破産手続きが開始され、債務者は同時廃止か管財事件かに振り分けられます。
また、この時、免責審尋期日が決定します。
その後、裁判所にて免責申立ての内容について質問を受ける免責審尋があります。
財産がほとんどない人は同時廃止に割り当てられ、裁判官との面談後、免責決定が下り、借金がなくなります。
住宅や車などの財産を持っている人は、管財事件に割り当てられ、債務者の財産を現金化して債権者に配当されます。配当の手続き完了後、免責の決定がおり、借金がなくなります。
- 弁護士に依頼
- 債権者へ受任通知を送る
- 必要書類の準備
- 破産手続き・免責手続きの申し立て
- 破産手続き開始
- 財産の処分(管財事件の場合のみ)
- 免責審尋
- 免責の決定 手続き完了
自己破産に必要な書類
・陳述書
・債権者一覧表(どの会社からどのくらい借りていたか分かるもの)
・家計収支表
・住民票
・賃貸借契約書
・源泉徴収票or確定申告書
・課税証明書
・預貯金通帳
・生命保険の証書
・固定資産評価証明書
・財産分与明細書
・クレジットカード一式
まとめ
今回は、債務整理の手続きにかかる期間と流れについてご紹介しました。
借金額や借入内容・状況によって、債務整理の手続き方法やかかる期間も異なります。
一番シンプルに手続きが済むのは、やはり任意整理になりますが、書類作成や債権者との交渉などは個人で行うには難しい場合がほとんどなので、法律の専門家に依頼するのが安全かつ脱借金生活への近道となります。
債務整理をお考え中の方は、まずお近くの法律事務所に相談してみるところから始めてみましょう。